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佐藤 利典



理学研究院 地球科学研究部門

理学部地球科学科 地球物理学教育研究分野

トピックス

  • 粘弾性・間隙弾性を考慮した巨大地震の余効すべり分布の研究:
    巨大地震の地震時のすべりや地震後のゆっくりとしたすべり(余効すべりといいます)を求めることは、断層面の摩擦特性を知る上で重要です(摩擦特性を知ることは、地震発生予測のシミュレーションを行うのに欠かせません)。余効すべりを正しく求めるには、アセノスフィアの粘弾性や表層の間隙弾性を考慮する必要があります。本研究では、間隙弾性や粘弾性を考慮した媒質での巨大地震の余効すべりの時空間分布を、インバージョン解析により求める方法を開発しました。

  • 関東アスペリティプロジェクト(KAP)の推進: 
    関東アスペリティプロジェクト(KAP)とは、関東南部で起こる地震を理解するために、IODP(統合国際深海掘削計画、深海掘削船「ちきゅう」を使用します)による掘削を行おうと提案しているプロジェクトです。関東南部には、1923年の関東大震災を起こした大正型、1703年の元禄地震を起こした元禄型の地震が繰り返し起こっています。また、房総沖には、5-6年間隔で地震の揺れは起こさないが断層がゆっくりすべるスロースリップが起きています。これらのイベントがなぜ違う振る舞いをするのか知るため、また、繰り返し間隔の短いスロースリップの全サイクルを観測して地震発生の物理モデルを構築するために、掘削による断層面上の物質の取得や掘削孔での観測を提案しています。現在、掘削に先駆けて海底圧力計による観測を始めています。

  • 海嶺における熱水と構造の関係の研究進:
    海嶺は、プレートが生まれてくる場所で、どのようにプレートが生産されるか、また、熱水活動がさかんなので、熱水と構造はどう関係しているのかを調べています。マリアナトラフとインド洋中央海嶺を調べることで、場所により熱水の成因が違うことがわかりました。

研究内容

「地震はどうして起こるのか」ということを知るために、以下のような研究をしています。 (1) 人工震源、海底地震計を用いた沈み込みプレート境界の地殻・上部マントル構造調査と地震活動調査:日本付近では、大きな地震は海の下のプレートが沈み込んでいるプレート境界でよく起こります。その地震の性質を知るために、どのような形で沈み込んでいるか、どの場所が地震を起こしやすいのかなどを調べています。 (2) 地震が繰り返し発生する過程を解明するための地震時や地震後のすべり分布推定法やシミュレーションモデルの開発:プレート境界では地震が繰り返して起こることがわかっています。どのような過程を経て地震が起こるのかを、インバージョン解析やシミュレーションモデルを用いて調べています。
また、海底地震計を使って海嶺での地殻構造や地震活動の調査も行っています。

  • 研究論文はこちら
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    hiroi

    写真 1: 観測で使う海底地震計
    写真 2: 人工震源として用いるエアガンの発振の様子

    担当授業

    普遍教育(教養科目)

    • 情報処理
    • 地震と災害
    • 地域の地学的背景を知る
    • 地学基礎実験 C

    専門教育

    • 地球ダイナミクス概論 1
    • 地球物理学 Ⅲ -1, 2
    • 地球物理学実験 Ⅰ
    • 地球物理学実験 Ⅱ
    • 情報地球科学 Ⅱ -1, 2
    • 地球科学演習
    • 卒業研究

    大学院教育

    • 地球ダイナミクス特論 2
    • 地球物理学 Ⅳ A
    • 地球物理学 Ⅴ A
    • 特別演習 Ⅰ
    • 特別研究 Ⅰ
    • 特別演習 Ⅱ
    • 特別研究 Ⅱ

    所属学会

    • 日本地震学会
    • American Geophysical Union
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