齋藤 尚子
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環境リモートセンシング研究センター 理学部地球科学科 大気・水循環教育研究分野 |
トピックス
温室効果ガス観測技術衛星GOSAT(いぶき)は、2009年に日本が世界に先駆けて打ち上げに成功した温室効果ガス観測に特化した世界初の人工衛星です。近年、地球温暖化が大きな地球環境問題となっていますが、人工衛星を利用することで、その原因となる二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスの全球の濃度分布を知ることができます。GOSATは打ち上げから8年以上が経過した今も順調に観測を続けており、2018年には後継機GOSAT-2の打ち上げが予定されています。
研究内容
私の研究室では、人工衛星データを利用したグローバルな地球大気の研究を行っています。人工衛星による観測の利点は広範囲・長期間の連続観測ができることですが、一方で、衛星で取得されたデータから大気分子の濃度などの物理量を導出するためには高度なアルゴリズム(リトリーバルアルゴリズム)の開発が必要です。研究室では、温室効果ガス観測技術衛星GOSATに搭載されている温室効果ガス観測センサーTANSO-FTSの熱赤外波長のスペクトルデータから、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスを導出するリトリーバルアルゴリズムの開発を行っています。さらに、衛星のスペクトルデータから導出した二酸化炭素やメタンなどの濃度データを他の信頼性の高い濃度データと比較することで、衛星データの精度を検証しています。そのようにして得られた「信頼性の高い衛星データ」を利用して、全球の温室効果ガスの濃度分布や季節変動・年々変動の解析を行っています。また、国際宇宙ステーションで得られたデータや他国の衛星データを利用して、成層圏オゾンの破壊メカニズムの解明、大気汚染物質の動態解析などを行っています。
担当授業
普遍教育(教養科目)
- 地球環境とリモートセンシング B
専門教育
- 大気リモートセンシング 2
- 地球科学演習
- 卒業研究
所属学会
- 日本地球惑星科学連合
- 日本気象学会
- 日本大気化学会
- 日本リモートセンシング学会
- American Geophysical Union