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高木 悠花

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理学研究院 地球科学研究部門

理学部地球科学科 層序学教育研究分野

トピックス

  • 2022年9月 クリタ水・環境科学研究助成に採択されました.
  • 2022年4月 日本海洋学会岡田賞を受賞しました.
  • 2022年2月 国際地質科学連合(IUGS)のWomen in Science Eventにゲスト出演しました.
  • 2021年11月 JST 創発的研究支援事業に研究提案が採択されました.
  • 2021年8月 JST 戦略的創造研究推進事業 ACT-X 環境とバイオテクノロジー領域に研究提案が採択されました.
  • 2021年4月 科研費若手研究に採択されました.
  • 2021年3月 昭和聖徳記念財団学術研究助成に採択されました.
  • 2021年1月に着任いたしました.これからよろしくお願いいたします.

研究内容

私は,地質時代を通じた生物の進化と,地球環境変遷との関わりを明らかにしたいという大目標のもと,主に浮遊性有孔虫という微化石生物を対象に研究を行っています.浮遊性有孔虫は,海洋表層に生息する単細胞動物プランクトンです.炭酸カルシウムの殻をもち,化石として地層に保存されることから,豊富で連続的な化石記録をもち,生物進化の格好の研究材料です.また,多くの古環境情報を殻の化学組成として秘めた,有力な環境解析ツールでもあります.では有孔虫の進化は環境変動とどのように関係し,また何によって駆動されてきたのでしょうか.
有孔虫の生態(生息深度,捕食・被食,共生,生殖など)の多くは未解明であり,生き物としての理解が進んでいないのが現状です.私は,こうした種の生き様が,進化や環境適応に重要な要素となっているのではと考え,化石と生体の両方を用いて研究しています.
キーワード:浮遊性有孔虫,光共生,古生態,進化古生物学,生物海洋学,安定同位体,飼育実験

  • 研究論文はこちら

  • 1. 浮遊性有孔虫化石から,生きていた当時の環境や生態を復元する
    有孔虫の殻は炭酸カルシウムで形成されており,炭酸カルシウム中の炭素や酸素の安定同位体比は,殻を形成した当時の海水環境や生態に関する情報を保持しています.殻の安定同位体比の極微量分析を通じて,藻類との共生関係の復元や,生息深度の復元に取り組んでいます.

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    図1: 安定同位体比分析に用いる浮遊性有孔虫の殻をメスで切っている様子(左:切る前,右:切った後).1個体をチャンバーごとに切り分けて分析することで,1成長段階という時間解像度で情報を得ることができる.


    2. 現生浮遊性有孔虫の光共生を理解する
    浮遊性有孔虫には,光共生(光合成藻類との細胞内共生)する種が知られています.では,共生藻は有孔虫にとってどのような役割を果たしているのでしょうか.現生浮遊性有孔虫の飼育実験や,共生体の光合成生理の解析などを通じて,光共生の生態学的,進化学的意義の解明に取り組んでいます.

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    図2:光共生を検証した現生浮遊性有孔虫30種.化石とは異なり,細胞質が様々な色を呈しており,とても鮮やか.色は共生藻や取り込んだ餌に起因している.スケールバーは200 μm.Takagi et al.(2019)より.


    3. 光共生の環境応答を明らかにする
    化石記録からは,地質時代の急激な温暖化イベントを経て,光共生する種が多様化することが知られており,水温との関係性が示唆されています.将来の地球温暖化に浮遊性有孔虫という動物プランクトンがどう応答していくか,実験的な手法や,公開されているビッグデータの解析も活用し,この解明に取り組んでいます.

    担当授業

    専門教育

    • 地史古生物学実験I
    • 地球科学演習
    • 卒業研究

    所属学会

    • 日本古生物学会
    • 日本地質学会
    • 日本海洋学会
    • 日本プランクトン学会
    • 地球環境史学会
    • 日本地球化学会
    • 日本地球惑星科学連合
    • European Geosciences Union
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